コズミックブレイク2
シャイニングスターメモリーズ ≪ 5 ≫

原作:サイバーステップ
小説:青葉あおい

「うわぁ! コスモリーグのアイドル、ソプラちゃんだ!」

「実物が見られるなんて感激だ! それだけでもここに来た甲斐があったぜー!」

指笛と歓声が響き、壇上のアイドルに声援を送っている。

『ありがとうございます! みなさんのサポートができるよう、精一杯頑張りますね!』

ソプラがそう言ってブルーの瞳をウインクしてみせれば、先ほどとはまた違った歓声が響いた。へそ出しの赤いツーピース。ノースリーブの上着は少女の白肌を惜しげもなく披露しつつも、豊満なバストを強調することも忘れていない。彼女が跳びはねる度に、赤リボンで結い上げられた短いポニーテールがピョコピョコと揺れていた。

「わぁっ、可愛いですね!」

「ちょっと、コンサートじゃないのよ!? 何よこれ!?」

「ふむ、あのコスモリーグが……時代は変わったのだな」

クリムがはしゃぎ、ルナは困惑し、ゼロはしみじみと呟く。3人が別々の反応を見せているうちにバックミュージックがフェードアウトしていき、広場が静まったところでソプラが口を開いた。

『それではこれから、コスモリーグに参加されたみなさんのために簡単なルール説明を行います! まずはこちらをご覧ください!』

フリルのついたミニスカートをひるがえしながら、ソプラは背後のディスプレイを手で示した。ディスプレイには、3色に色分けされたピラミッド型の図形が映っていた。

『このピラミッドは、コスモリーグに所属しているリーガーの階級を表しています。一番下の細い段は、初心者やランキング下位のリーガーが所属するルーキーリーグ。中央の太い段は、ルーキーリーグを勝ち上がりランキング上位となったチームが所属できるプライムリーグ。そして一番上の小さな段は、プライムリーグでさらに優秀な戦績を上げたリーガーのみが所属を許されるマスターリーグになっています。リーグ初心者のみなさんは、まずは一番下のルーキーリーグに所属することになります!』

表示されている内容の説明が終わると、ディスプレイは次の説明に必要な画像を映し出す。ソプラはそれに合わせて、淀みなくスラスラと説明を続けた。

『ルーキーリーグでは、各チームの戦力差や人数差に配慮して、1回のバトルに出場できる人数を5人までに限定しています。そのため5人以上が所属するチームは、バトルの度に代表を5人選出してバトルに臨むことになります。ここまでで、何かわからないことはありませんか?』

ソプラがリーガーの方へマイクを向けるのを見て、すかさずルナが挙手をした。

「ちょっと質問なんだけど、3人しかいないチームはどうすればいいの? 5人になるように、どこかから人員を補充しないといけないのかしら?」

ルナの質問を聞いたソプラは満足げに頷きながらマイクを戻した。

『はい、よくあるご質問をいただきました! みなさんが知っての通り、コスモリーグは去年から3人以上のチームで参加する決まりになりました。なので当然、5人未満で参加しているチームもあると思います。しかし、そういったチームのみなさんは、人数差による不利も覚悟の上でリーグへの参加を決めたはずです。従ってコスモリーグでは、ハンデを設けるといった特別扱いは一切しませんし、登録されているチームメンバー以外の出場を認めません!』

ソプラは力説しながら、両腕を体の前でクロスさせて大きなバツ印を形作る。

『また、フルメンバーで出場できるチームは、3人や4人のチームと当たったとしても人数を合わせる必要はありません! 遠慮なくフルメンバーで出場しちゃってくださいね!』

はりきって説明するソプラに、今度はゼロが疑問をぶつける。

「だが、どうやって勝敗を決めるのだ? 人数差があっては、公平なジャッジは下せないだろう?」

『それに関してもノープロブレムです! こちらをご覧ください!』

ゼロの質問も運営側にとっては想定の範囲内らしく、ソプラは何ら取り乱すことなく背後のディスプレイを示した。

『バトルの勝利条件は2つです。1つは当然、相手チームを全滅させること。もう1つは、30分の制限時間内に、相手よりも多くのポイントを獲得することです!』

それぞれの勝利条件を表示させていたディスプレイは、続いてポイントの計算方法を表示させる。

『ポイントには、撃墜ポイントと残り時間ボーナスの2つがあります。撃墜ポイントは相手チームのリーガーを撃墜することで加算されるもので、1人につき50ポイントになります。次に残り時間ボーナスですが、こちらは撃墜した時点での残り時間に応じて、撃墜ポイントに加算されるポイントになります』

またしてもディスプレイが切り替わり、今度はボーナスポイントを表す数字が表示された。

『このように、バトル開始から3分以内に撃墜した場合は、なんと150ポイントがボーナスとして加算されます! しかし、ボーナスポイントは3分経過するごとに10%ずつ減っていきますので、バトル終了間際にはたったの15ポイントになってしまうのです! みなさん、お早めに撃墜した方がお得ですよー!』

ソプラの説明に、ルナが納得した風に頷いた。

「なるほどね。たしかにこれなら、人数差による不利は大した問題にならないわね」

「ルナちゃん、どういうことですか?」

わけがわからないと言いたげなクリムに、ルナは噛んで含めるように説明を補足する。

「簡単な話よ。撃墜ポイントだけで考えたら、人数が多い方がより多く失点してしまうってことはわかるわよね?」

「はい。3人撃墜だと150ポイントですけど、5人撃墜すれば250ポイントももらえますよね?」

「その通りよ。でも単純に考えれば、バトルでは人数が多い方が有利よね? 数に物を言わせて早いうちから攻めていけば、100ポイントの差なんて残り時間ボーナスで簡単にひっくり返せるわ」

「そう言われれば……たしかにその通りですね」

ようやく理解したクリムに、今度はゼロが説明を付け加えた。

「それだけじゃないぞ。どんなにポイント上で不利になったとしても、相手を全滅させさえすればバトルに勝利できるのだからな。作戦や仲間との連携が不可欠な上に、最後の最後まで気を抜くことが許されない、まさにチーム戦にはうってつけのルールというわけだ」

2人が説明する間にも、ソプラの話は続いていた。

『バトルに勝利したチームには、勝利ポイントとして相手チームが獲得したポイントの半分が加算されます。ちなみに負けたとしても、獲得したポイントはそのままランキングへ反映されるので、どうか最後まで諦めずに戦ってくださいね! 1点でも多くのポイントを稼ぐことが上位ランクインのコツですよー!』

ソプラがガッツポーズをとりながらニッコリと笑顔を見せると、リーガーたちは「おー!」と声を上げながら拳を突き上げた。

『さてと、あんまり説明ばかりだと飽きてしまいますよね? それでは今から、記念すべき第1戦目の抽選を行いまーす!』

ディスプレイが切り替わり、VSという表示を真ん中にして上下の文字が回転を始めた。それらはドラムロールに合わせて回転の勢いを増していくが、しばらくすると急激にスピードを落とし、やがて2つのチーム名を表示させて止まった。

『出ました! 第1戦の対戦カードは、アニマルナイト対シャインスターズでーす!』

~ つづく ~